三月六日 歌舞伎座で | keiの歌日記

三月六日 歌舞伎座で

十八世中村勘三郎襲名公演

盛綱陣屋
和田兵衛秀盛(中村富十郎)七十五歳とは思えぬいい張りのある声と、盛綱(勘三郎)のやや重たいしゃがれ声との虚虚実々の応酬、芝翫扮する微妙の崇高なまでの気品にまづ圧倒された。小四郎(児太郎の名演)につい涙してしまう。
時代物ではよくある実は、と言うどんでんまでの運びが実に気持ちがいい。

保名
*菜の花の黄にむらさきの裾映えてむかし保名を仁左衛門舞う(圭之介)

鰯売恋曳綱
三島由紀夫の新歌舞伎,先代の名演をモノラルのビデオで確認してから行って見たのだが、新勘三郎、この分野では、はるかに先代を凌駕してしまった!
笑い涙をこらえようが無かった。また、玉三郎も精一杯付き合って、これまた
歌右衛門の固さ、古さを一掃した迷?演技に脱帽。

嬉しいカンクロちゃんの襲名芝居に胸一杯の感慨を抱いて劇場を後にした。