三月二十七日 (日) 終日小雨 しかし時々晴れ | keiの歌日記

三月二十七日 (日) 終日小雨 しかし時々晴れ

   偶感


 この頃つくづく思う。

 本当ならとっくにこの世をおさらばして

いるはずのわたしが、少なからぬ公費のご

厄介になりながら生きてゆくことが果たし

て善か?

 他の透析患者さんも恐らく多かれ少なか

れ同じような考えをお持ちの筈だ。

 与えられた現実を感謝感謝で受け入れ

ていくより仕方が無い事なのだろうけれど。

  閑話休題 今日の歌に取り掛かろう。



今日の歌

*深くふかく海鳴りを闇に奮わせて天は瞋恚をわが身に注ぐ

*散るは花散らすは細雨音も無く時は移ろふわが思い また

*春雷は遠鳴りのして哀しみのごとく澄みゆく・・われ敗残者

*こよいまたわが頭の奥にくらぐらと雲のごとくに片頭痛湧く

*ゆく春の名残りを月に託すともひとつの寓話投げ擲てもせず

*退りゆく春の足(あ)音か遠(オン)街に及ぶ殷いんたる古梵鐘

*頬ひそと紅ふふみたる風説のなかのひとそのまみえ涼やか

*かなしみを風の容器と成さしめてひとり立つなる弥生夜の街

*雲の襞細きより降る陽の光(かげ)に春の名残りと露を蒸たしむ

*塗れつつ時雨を行けば一片の桜花(はな)降り懸かる うつつはた夢