四月二十日(水)  今日も塚本短歌に就いて | keiの歌日記

四月二十日(水)  今日も塚本短歌に就いて

再び三たび塚本短歌に就いて

⑥体言止め(名詞止めが多い)

⑦”われ”のごとき一人称、(特に彼自身を現わす)が極めて少ない。

その他まだまだあるけど、追々文中で記して行きたい。

 今、目の前に分厚い「定本 塚本邦雄湊合歌集 1982年5月25日 初版 限定版」が私を圧倒するようにデンと居座っている。1982年までの全歌が、私に向かって「どうするんだ」と眼を剥いている。

 何時まで懸かるかか判らないが、何とか分にあった作業をぼつぼつやって行こう。

 断っておくが、難字(第二標準当用漢字にすら含まれないような,唐字、梵字)等にt就いては、適当に対応して行く。

 

「水葬物語」

平和について(抜粋)

 

*革命歌作詞家に凭りかかられてすこしづつ液化してゆくピアノ

 (余りにも有名な一首、なにを今更・・・)

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*地主らの凍死するころ壜詰の花キャベツが街にはこび去られき

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*輸出用蘭花の束を空港へ空港へ乞食夫妻がはこび

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*賠償のかたちにもらひし雌・雄の闘魚をフライパンにころがす\

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*聖母像ばかりならべてある美術館の出口につづく火薬庫

 (戦火に煙ったイラクの、バグダットのビデオの絵が眼に浮かぶ)

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*墓碑に今、花環はすがれ戦ひをにくみゐし ことばすべて微けく

                                         (未完)

 

今日の歌(塚本邦雄氏へのオマージュ)

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*淫靡なる香を蒸たたしめて生(あ)れ来たる新生児に月煌めく

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*肌はかならず婚姻色に染むべきぞ初なつのマラソンランナー

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*脳漿の腐れゆくまま歳老いてカナリヤはなほ鳴きぬ恋ひ唄

気安くご意見をコメントに残して行って下さい。