三月五日(日) 題詠100首ブログ投稿歌(016~025)
題詠ブログ100首投稿歌(016~025)
016:せせらぎ
*ふるさとのあのせせらぎを思ひつつ呷るシードル喉にさはやか
017:医
*謀られて此処に居るかやさむき午後の医院の窓に一つ飛ぶ蠅
018:スカート
*ふくらはぎややに腫れたるごとくしてスカートのひと歩む銀座を
019:雨
*春を待つこころに成れず夕やみのなか静もれる雨の素気無さ
020:信号
*おおぞらの果墨色の雲は消え冬はいよいよ黄信号なり
021:美
*美はしき面影を幻ぬ眉月の山の端に寄るまでの宵ぞら
022:レントゲン
*白き胸露はにさせていたはしきレントゲン技師御身ゆるせず
023:結
*春霞む庭辺に風の柔く来ていま結納の式はじまりぬ
024:牛乳
*コーヒーを牛乳に入れただひとりカフェ・オ・レと為すその鬱のいろ
025:とんぼ
*この冬を如何に過ごせし赤とんぼ葉かげに一羽痩せ細り居る