keiの歌日記 -37ページ目

四月一日(金)エプリル フールですネ

やっとプログのお休み解除

ずいぶん便利になった。とくに字の大きさを、いちいち<Font>を入れなくてもよくなったのが嬉しい。

それとデザインもかなり自由に変えれるようだ。おいおいと試して見るが、いま暫くはブルちゃんと付き合ってゆくつもり。

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今日の歌

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*風化せるわが詩のごとし三月の空に薄紙いろの月出づ

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*かつて少女ふたつちがいの少年と一夜メルヘン創りしも 春

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*少女ありき草叢のなかブラウスを紺に染めたり竜胆の香に

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*弟と少女 茜に酔いしかど言葉失いたる過去の海

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*夜の闇に透くまで白き掌の見ゆれ自虐を吾に強いるその掌が

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*自ずから望む形に咲く花を扼取せるこのいちにんは はや

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*母の偏愛いかばかりなる少年のひととき流す涙 血の色

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*邪しまと言わるる身ゆえ潔斎の雨はらいつつ渡る三叉路

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*ウイキョウの散り急ぐなか尼僧独り夕暮れを誰が為に祈るや

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*曇日にしらじら薫る梔子を眼瞑りてわが視野より外す

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*馴染まざる形に屈む死者を置きなお悦楽のごとき 葬列

三月三十日(水)

   


 急告! アメーバブログが休止、従って私も四月一日まで休みます
        
        

三月二十九日(火) いい天気 

    思いつくままに

陽気はだんだん良くなって来るが、どうも気分的に重い。

pcに向かってもなかなか指が動かない。何か変な胸騒ぎがする。

イカンイカンと首を振って、さあどうしよう・・・

気分なおしに今日の歌へ行け!


どうか気楽にコメント残して行って下さい。

 

今日の歌

*七色のかくも空しき自己愛に似るシャボン玉風に割れたり

*縊死体の在り処にふさう庭持たぬゆえの呼吸を今日もして居り

*自我の無き孤立を盾と降る星の下へ残余のあゆみ進めつ

*胸鎖乳突筋かたく締まりなば虚言言いたき唇開き得ず

*薄荷酒の緑の香り口中に革命のごとあがる火の熱

*自画像を描く手を持たぬ淋しさが掴み居しまた今日の夕焼け

*夜々経るもなお消えがたきわが胸の水底に殺意めくめくるめき

*チェロ・ソナタそのあかがねの輝きに酔いしかの少年も逝きしと

*いちにちの終始を窓に見られつつ無量の夜という闇に居る

*やがて逝く春の陽 坂を転げつつ焼き尽くすわが私的状況

*ようやくの夜明けを深く吸いながら薄情というべき春に臥す

三月二十八日(月) 曇り

  雑誌「演劇界」四月号を見て

 先ず歌舞伎座編の劇評欄を開く。水落 潔氏、上村以和於氏両大家が、昼夜通しで全狂言を評しておられる。
拙評と、当らずともいえど遠からず、まずほっとした。勘三郎への評価はすこぶる高い。当然だろう。「俊寛」の幸四郎の手馴れた俊寛を、水落氏は持ち役で芸風に合っている。と納得し、上村氏は仁、柄とも
彼に適している
。と、二人とも彼が最も演じやすい役だから・・と説いている。まあ異論は無い。わたしはそれを、ニンに溺れすぎた、(型に嵌り過ぎ)と観たのだが・・。
段四郎の瀬尾はわたしと同じく評価が高い。魁春の千鳥は、やや評価が割れたか。
勘三郎への賛辞は全狂言に於いて止まる所を知らない。普段、やや辛口の多い上村氏がこんなに持ち上げて評することは無いのに、とやや唖然とする。だが、
ファンとしてはうれしい限り。

続いて京都南座編。森西真弓氏の評、小生,寡聞にしてこの人を知らなかったが、
筋の説明に大半を費やし、肝腎の評が少々疎かになってしまった。限られた紙数では仕方がなかったのだろう。ややガッカリ。
 
やってみてよく解かったが、芝居の評はむつかしい。感想にとどめて置く程度が我々素人には応分のことだろう。
 でも面白かった。これに懲りず挑戦したい。



今日の歌

*飾るもの総べて在らざり浴槽のなかにほんとうの「私」が居る

*また一つ饐え落ちてゆく葉をせめて焚かむ自己愛という暖炉に

*過去という苦き味覚に浸りつつなお恋うものを欲る自虐癖

*ただ一語「死」と在る詩集 残されし空白に春の月は輝く

*わたくしがわたくしである不思議さに耐えず待つ薄墨の夕映え

*丸めたる掌に包み持つ夕闇のひとかけら在り春雨終日

*春冷えのやがて肩より背に下る音閑吟の身にし泌む夕

*深く澄むこころへ寄らず終夜哭く雨に乱されいるも哀しき

*冷やかなる侮蔑を知りぬ若き等の無言に果実のごとき充足

*充足というにあらねど身ひとつを沈めつつ湯に淫ける週末


三月二十七日 (日) 終日小雨 しかし時々晴れ

   偶感


 この頃つくづく思う。

 本当ならとっくにこの世をおさらばして

いるはずのわたしが、少なからぬ公費のご

厄介になりながら生きてゆくことが果たし

て善か?

 他の透析患者さんも恐らく多かれ少なか

れ同じような考えをお持ちの筈だ。

 与えられた現実を感謝感謝で受け入れ

ていくより仕方が無い事なのだろうけれど。

  閑話休題 今日の歌に取り掛かろう。



今日の歌

*深くふかく海鳴りを闇に奮わせて天は瞋恚をわが身に注ぐ

*散るは花散らすは細雨音も無く時は移ろふわが思い また

*春雷は遠鳴りのして哀しみのごとく澄みゆく・・われ敗残者

*こよいまたわが頭の奥にくらぐらと雲のごとくに片頭痛湧く

*ゆく春の名残りを月に託すともひとつの寓話投げ擲てもせず

*退りゆく春の足(あ)音か遠(オン)街に及ぶ殷いんたる古梵鐘

*頬ひそと紅ふふみたる風説のなかのひとそのまみえ涼やか

*かなしみを風の容器と成さしめてひとり立つなる弥生夜の街

*雲の襞細きより降る陽の光(かげ)に春の名残りと露を蒸たしむ

*塗れつつ時雨を行けば一片の桜花(はな)降り懸かる うつつはた夢


三月二十六日(土)曇り 風強し

  深夜の電話


受話器を取るなり

「おまえ、どうかしたのか?」

いきなりの怒鳴り声、旧友のひとりであった。

「何だよォ  いきなりィ」と、わたし。

「なんだか線香臭い歌ばかり作りゃがってェ

いよいよお陀仏か?」

 なんとまぁ情緒の無い奴・・と思いながらも

わたしは嬉しかった。

 その後は旧交を暖める他愛ないお喋りで終わったが・・

 あらためて最近の作品を見直して見た。

なるほど、当らずといえども遠からずか、と、

思わず苦笑い。

 あまり遠くない将来に、確かにそれがあること

を無意識に頭の隅に覚悟しているのかも知れない。

 友達とは、友情とはイイもんだと、つくづく思った。

ガサツな彼でも敏感になにかを感じ採ってくれる

、それほどわたしの歌は暗くなっていたのだ。

 精一杯明るく歌おう。

 ネクラな性格ではそうもいかないか。

 という訳で、相変わらずのクライ歌だと思います

が、付き合って下さい。


  

今日の歌


*溢れ来るものありゆえを知るひとの遠き面差し見す夕あかね

*若き日に語り合いたるその一語死よおごれ吾すでに孤りなり

*陽炎の燃ゆる路上に倒死せるわが影か棄てられしレモンは

*かなしみをあまた残してゆく人のために今宵は薔薇を刻みぬ

*その想いわれへ還らぬつめたさに白き頬あり遠き灯の下

*一滴のなみだもて措く訣別の譜へ終止符を かなしソネット

*くらぐらと雲よ無音の歩を速め隠せいざよう月を わが身を

*明日という切なきものを見詰めたく夜来 雨なる窓憎み居り

*パテテイクソナタ生れしも斯かる夜と思うピアノの鍵湿る雨

*禁欲を科すとも少女の髪嬲る風を鼻腔に受くは否まず

*かなしみを恃む驕りを杏仁の香漬くテキーラ呷りつつ羞ず

*わが恋うは腋窩・ひかがみ・例うれば汝が装いを忘れたる陰


三月二十五日(金)雨時々曇り

    Kamomeさんへの謝辞

 愛海舞さん

このブログ立ち上げてすぐ 訪問して頂き、その後も度々適切なご助言

心細かった気持ちが、どれだけ勇気づけられたか、有難うございました

また、完走したあとすぐに選歌していただき、これも嬉しかったです。

久し振りにマラソン覗いてみましたが、Kamomeさんの作品、まだ見

つけられませんでした。

スロースターターですか?

早く見せて下さい。とにかく貴方の多彩な才能には敬服します。

短歌に詩、写真にデッサン、時々貴方のお部屋へ伺って圧倒されていま

した。 兎に角、マラソン頑張って下さい。

そして、このちゃちなブログへもおいで下さい。有難うございました。




  今日の歌

*水時計の水きわまるやわれと汝のあわいに溢れ来る冷気あり

*口中に酸あり あさの鬱屈に音も無く寄り来るは死か 痴か

*万たびの愁雨受けつつ石仏の肌その含羞に満てるかがやき

*陽は昂くかぜ鎮みたりさんがつの空へ溶け行けわれも鴉も

*めくるめく陽は中天に銃身のごとし直立なせる薔薇茎

*含羞のほの鹹くして春の夜にわが煽る酒 醸せしは汝ぞ

*相触れぬまま千たびの夜を超えいよよ澄むアルタイルわが星

*遂げ得ざること思いつつわが醜の生死窮めるべく夜を臥す

*汚れたる詩集にあれど失いしものの重さを知るや十四行詩(ソネット)

*欺かれいるかもしれぬ危うさにおのれ立たしむ春爛ける日に

三月二十四日(木)  曇り時々雨

  Bar Betty’s Blue訪問

 今日はベテイさんのお店へ立ち寄った。甘い美酒を沢山頂いて、またまた

メロメロにされました。他に多くの優秀な作品の羅列がある中で、私ごときの

凡作に眼を留められ、多大の共感を寄せての賛辞、穴があったら入りたい!

 あなたのブログでもちょっと言いましたが、お互いなにか共通する味覚を

持っているのでしょう。残念ながら歌集は持っていませんし、これからも出す

つもりは有りませんが、ヒョットして歌集を出すことになったら、勿論、あな

たを第一号の読者として謹呈いたします。(当てにしないで待っててくだ

さい)。

 評していただくばかりで、あなたの作品への言及が出来ませんが、実は、

一通り自作の評を当たってから、じっくり皆さんの作品鑑賞に掛かります。

重ねて御礼申します。有難うございました。




 今日の歌

*あわあわと汝が肉体(ししむら)の解け得ざる薄物はわが終いの呪縛ぞ

*憂いさえ忘れ去りたり春の陽のその輝きと汝が透ける眸に

*薔薇よ起て月暗黒の影すなる いまぞさきがけて行け蜂起へ

*星どちの喧喧として降り来たる夜は在りされど冷え冷えと 愛

*夜のとばり忘れられぬか黒蝶のかの鱗粉とまごうなき 詩よ

*直ぐ立てる白き素足よ噴水のかたわら去りがたきは懼れか

*反転をなすときそびらに受く茜 鯉水底にたおれしや 否(ノン)

*乙女子の髪撫づる掌のしろくしてわれには遠き異次元の季節(とき)

*食甚を終えし月なり冴え冴えと影を消しつつわが掌に到る

*ひとひらの影を踏まえてやおら立つ女あり星のざわめきに酔い

三月二十三日(水)今日もまた雨 しかも寒い

   
  ひさしぶりに少し暇が出来た まゆみさんのブログ探検

一読して赤面状態 ”ほめごろし”??かと思ってしまう。

いやいや素直になろう。まゆみさん あなたに褒められる程のモノではないと

本心から思っています。

一連、かなり作為が見え見えで、まさに題詠のための読み込みで、申しわけ

ないですが、あまり推敲もせずに出しました。それを最大級の賛辞で評して

頂き、穴があったら入りたい!!感じです。

 明日から他のお方のブログ覗くのがこわい。

まゆみさん 有難う御座いました。なにか心の依り所が出来た気がします。

素直に受けてこれからもガンバリマス。



今日の歌

*かえり来よかの日かの夜 肺腑までひびく汝が声在らず今宵は

*天よりの軌跡曳きつつなおもわが運命(さだめ)のごとく消えぬ星在り

*満天にしろがねの傘ひらくとき遠き月恋うわれのおろかさ

*月満てり 風わが袖を翻しなばいざ行かめやも死者の棲む森

*枯るる身は避けて降れかし含羞のごときオリオン放つどよめき

*世代差の谷くらぐらと闇を斬り月をそびらに負うわれに対く

*はるかなるわれとし思うその雲に在ればうすくらがりの罪障

*その髪は黒かりき夜半窓に顕つ柳かあらず亡母か はたまた

*胸腔よりしたたる音のかねてより乱れつつあり裡の血時計

*正信の喝(げ)におののけり弥陀堂のくろき僧その声の確かさ

*諾いて読みき月旦「浪漫主義」と言う文字美しく三月に映ゆ

*あるいは死ならずや眉目秀でたる影が我より脱けてゆく午後

*おとめ等のほほ嬲りゆく風にしてわが掌には汗のみの街かど

*午後二時の怠惰ひそかに拾いつつ思惟を千里の果てへ走らす

三月二十二日(火) 終日憂鬱な雨

   何をするのも厭な雨

  今日の歌

*眠れざる夜は在り不毛の夢に泣く午前三時の黄泉の国辺

*浴槽のそこよりあがる火のごとき瞋恚を堪えつつ身沈ます

*掌の上に屯ろする影 しろがねの月のしずくのごとき憂鬱

*中空に成せば不倫のカンパネラ雲あわ立てるその響き佳し

*ハープその縦糸三筋切られしに似たる記憶のあるかなしさよ

*天に星 地に花 吾になにや在る挽歌自愛のふかきどよめき

*選られたる一個のさだめ累卵の母とその死を共にせし後の

*闇に酔う心に立てば夜気ながれ星は処刑者の眼のごとく刺す

*水死せるかつての友の手に在りき「銀河鉄道」の片道切符

*虚無僧のわれかもしれぬ影を追い粛々と照る月の夜に立つ

*あおき血の逆立つ真昼 起立性低血圧にめくるめきつつ

*幽かなる吐息のごとき気だるさに恋う死ある身を安らぐも 春

*わがことの外にはあれど胸に痛し子恋い母恋いそれも又修羅

*含羞のごとき夕映え 丘の上に思いおなじくひとよ立ちませ

*月影の胸腔痛きまで刺すをうべないぬわれに不埒のあれば

*星ひとつ墜ちたり何処やたまきわる終の命のまた消ゆるらし